毎回悩まされる精神科病院での持ち込み品のトラブル…
(´Д`)
この持ち込み品が何故危険物なのか?何故場所場所によって危険物の取扱が違うのか?
今回はこの精神科病院での危険物とは?といった事を紹介してみたいと思います^^

あー、医者では気づかない危険性のある物品とか、看護師さんたちの方がわかってるもんねえ。
僕も気になる!
入院説明の時は、火器類、刃物類(裁縫関係含め)、薬物(ハーブ類含め)くらいしかお伝えしてないです。
とりあえず経験則も含めて語ってみますね。
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精神科はどんなものが危険物?
精神科はいろんなこころの病で入院しています。
この病気の症状のせいで、人(自分自身も含め)や物を傷つけてしまったり、結果的に他の人の迷惑になってしまう事があります。
こういった事からその人自身の安全が脅かされることも含めて、色んな「危険」が有ります。
なので、これらの危険が増す可能性がある物品が精神科の「危険物」にあたります。
以前の記事で書いた「精神科に入院している患者さんの持ち物の預かりや制限に関しては安全な療養環境を確保するためにあります。」と逆のような言い回しですね(^^;
※精神科における「危険物」とは
状況によって変わる「危険物」
例えば刃物は危険か否か?これはまさに病状によって違います。
実際の現場では、先ほどいったように人(自分自身も含め)や物を傷つけてしまったり、結果的に他の人の迷惑になってしまう事があります。
※自傷他害、迷惑行為などの問題行動
しかしながら、退院が近く生活訓練をしている際に料理をしている人は包丁を手にしますよね?
これは危険なのかどうなのか?
その人のこころの健康状態で「危険物」となりうるのかが大きく変わってくる事を認識してください。
こういった観点から「行動制限」があったり、ある程度のユニット単位でサービスを一元化する為に病棟ごとの特殊性があります。
平たく言うと、どんな人かわからないなら何も持ってこない方が病棟はありがたいです。
全く何にもですか?
そこはあなたの病状聴取しだい。
それが難しいんですが…
まあもうちっとだけ俺の話を聞いてみておくれ。
と多少判断材料になる事をもう少し書いてみます(^^;
油断は駄目
正直言うと現場ではこの持ち込み品や危険物の問題はいたちごっこです
(´Д`)
なので、入院時のオリエンテーションできちんと説明しておく必要があります。
いっちゃんはじめにルールを言っておけば色んな誤解を防げますしね
ここで油断した体験と言うか、自分の過去の体験を挙げてみると…
・パーソナリティ障害の女性が、下着の中にタバコとライターを隠していて、ボヤ騒ぎに繋がった
・糖尿病の男性が靴下の中にチョコを隠していて高血糖になった
・アルコール依存症の男性が、どこからか調達してきたアルコールが大量に荷物から出てきた
などなど挙げだしたらキリがありません(^^;
※とりあえず前回記事と一緒の内容
※その内、「精神科の思い出」とかも記事にしてみたいと思います
俺の経験からだと、患者が外出行った後に、外の喫煙所裏に缶チューハイを隠して、チビチビ外の喫煙所で飲んでたのはあったな☀
そう。それもまだかわいいものよ
正直こんな事は日常茶飯事です。こういったトラブルを防ぐ為にも危険物を管理しないといけないのですが
患者さんも人間ですし、こういった管理にも相手が思う気持ちを考える必要があります。
なので大体いつも私が荷物チェックをするときに言葉を添えるのは
「疑いたくねえから一緒に見せてくれ。」
「ルールがわかんねえってだけで嫌な思いさせたくねえから見せてくれ」
とか威圧的ではなく、味方である姿勢を伝えて協力を仰ぐようにしています^^
実際の持ち込み品の可否について
先ほどから同じことを言うようですが、ジローがいうような
僕も気になる!
入院説明の時は、火器類、刃物類(裁縫関係含め)、薬物(ハーブ類含め)くらいしかお伝えしてないです。
この一般的な銃刀法違反や脱法ドラッグになるような物品はNGです。
そして次の判断としては、行動制限が「隔離」なのか「閉鎖病棟」なのか「開放病棟」なのかで変わってきます。
実際の持ち込み品判断例
隔離
着ている服以外は全て持ち込み品は主治医と相談する。(服についている紐もNG)
※メガネに関しても、それを割ったら刃物になる
閉鎖
ある程度、病棟単位での取り決めがあるが基本的には紐類はダメ。(ベルトとか)
※その人自身だけでなく、他の入院患者さんに自傷他害のリスクがある事を考慮
開放
これまたある程度、病棟単位での取り決めがあるが閉鎖病棟よりかは判断基準が緩い
※自傷他害や迷惑行為のリスクが顕在してないから、行動制限が開放病棟の選択のため
大まかな行動制限に対する持ち込み品の判断基準の実際はこんな事を考えています。
正直こういった事ってすんげえ経験がいるし、それでも判断に迷うじゃないですか?
なので危険物の定義は病院全体で決めないと、動きづらいし組織としての共通理解として取り組むことが大事なんです。
組織としての共通理解(案)
なので、病院単位で「持ち込み品可否」に対するリストなどがあると現場ではいいなーと常々思っています。
ちょっとそれのイメージをざっくり書いてみようと思います。
ついでにこれは大体精神科病院での判断として妥当と思う物品も入れてみます
持ち込み品可否リスト(案)
※今後も随時更新していきます
物品\行動制限 | 隔離 | 閉鎖 | 開放 |
刃物(銃刀法違反) | × | × | × |
ハサミ | × | △ | △ |
鼻毛切り | × | △ | △ |
剃刀 | × | △ | △ |
電気式髭剃り | ▲ | ○ | ○ |
果物ナイフ | × | △ | △ |
フォーク | × | × | ▲ |
スプーン | △ | △ | △ |
ガラス・陶器製食器 | × | × | × |
箸 | × | △ | △ |
家具に該当する物品 | × | × | × |
枕 | ▲ | ▲ | ▲ |
>ぬいぐるみ | ▲ | ○ | ○ |
鞄 | ▲ | ○ | ○ |
財布 | × | △▲ | ○ |
通帳 | × | △▲ | ○ |
印鑑 | × | △▲ | ○ |
ティッシュ | ▲ | ○ | ○ |
電池 | ▲ | ○ | ○ |
メガネ | ▲ | ○ | ○ |
コンタクトレンズ | ▲ | ○ | ○ |
ハンカチ | ▲ | ○ | ○ |
ベルト | × | △▲ | △▲ |
衣類などの紐 | × | △▲ | △▲ |
筆記具 | ▲ | ○ | ○ |
医薬品 | × | △▲ | △▲ |
>医薬部外品 | ▲ | △▲ | △▲ |
スプレー類 | × | △▲ | △▲ |
化粧品 | ▲ | ○ | ○ |
ヘアワックス | ▲ | ○ | ○ |
指輪 | ▲ | ○ | ○ |
ヘアピン | ▲ | ○ | ○ |
ネックレス | ▲ | ○ | ○ |
ピアス | ▲ | ○ | ○ |
生理用品 | ▲ | ○ | ○ |
ビタミン剤 | ▲ | ○ | ○ |
うがい薬 | ▲ | ○ | ○ |
コンタクト洗浄液 | × | ○ | ○ |
携帯用テレビ | ▲ | ▲ | ▲ |
携帯用音楽プレーヤ | ▲ | ○ | ○ |
携帯電話 | ▲ | ○ | ○ |
パソコン | × | × | ▲ |
タブレット端末 | ▲ | ▲ | ▲ |
カメラ | × | × | ▲ |
ライター等火器 | × | × | × |
車マジで実際あった(´Д`) | × | × | × |
オートバイ | × | × | ▲ |
自転車 | × | × | ▲ |
折り畳み自転車 | × | × | ▲ |
工具 | × | × | △▲ |
アルコール類 | × | × | × |
菓子 | ▲ | ○ | ○ |
カップ麺類 | ▲ | ○ | ○ |
生もの | × | × | × |
匂いが強い食べ物 | × | × | × |
飴 | × | × | ▲ |
ガム | × | × | ▲ |
観葉植物 | × | × | ▲ |
○可
×不可
△病棟内で預かり・貸し出しで対応
▲個別対応(主治医に報告・相談する。ストレスケア病棟の観点も含め)
※衛生上管理が出来ないものも不可
※管理スペースの問題で預かる事が出来ない場合もある
※撮影など個人情報に触れる場合の物品使用は不可
※他、所持そのものが法律に触れるもの(覚せい剤やシンナーなど)
基本の判断はこんな感じです。
他にもあるんじゃない?
を。教えておくれ( ..)φ
※追記出来た項目があります。ありがとうm(_ _)m
ざっくりながら、こんな感じでいかかでしょう?
わかりました!分からない時は来てから判断するですね!
結局そうなんだよなー。ある程度の枠組みは決めておきたいけど(´Д`)
判断が曖昧になる部分は、病棟の特殊性や患者さんの問題点から来ている事なので、こういった事をきちんと取り決める必要があると思います。
その取り決めでも一概に無理!と終わらせるのではなく
相手に判断根拠を説明するとかあいての愛用品、こころを落ち着かせる物品に関してはこころを扱うサービスとして検討はしてもいいんじゃないかな?と思います^^
チームとしての共通認識をもつ
こういった観点のずれが色んな軋轢を生む結果に繋がります。
例として、挙げるなら患者さんが「あの人は良いって言ったのに、なんで駄目って言うの!」です。
以前まゆ毛が先輩から似たような教わって事でも言ってましたね。
※中身のない年功序列・封建制度は取っ払うのが大事[教育・指導]
チーム内しても患者さんと医療従事者側としても軋轢を生み、信頼関係を損なう結果は明らかです。
こういった取り決めそのものをきちんと書面にのこしておくことも重要ですね。言わば持ち込み品のリストであったり、預かった物品の預かり証などの事です。
終わりに
精神科の危険物取扱に関しての考察を記事にしてみましたが、自分でも曖昧だったり、判断に困る事が多々ありますねー(^^;
こういった不安はそのまま患者さんに伝わってしまい、その結果で信頼関係を損なう可能性もあるのでチームワークとしてもきちんと取り決めをしたい部分です。
またこれに関する看護研究など多々存在します。精神科看護においても昔からずっとある問題ですが、いまだにどの状況下においても妥当性がある判断が出来ていないのも現状です。
この記事内容はオープンソースにして、色んな人から意見がもらえると嬉しいと思っています^^
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