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生活評価 看護研究 精神科退院支援

改めて現代「生活」に必要なスキルや知識の程度を考えてみた。[看護研究]

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精神科だと特にアプローチが難しい「セルフケア」…

これに対するアプローチとして前回の記事で「生活能力評価」スケールについての看護研究を行っていると書きました。
なるべく簡単かつ有効に生活能力を評価する取り組み[看護研究]

こんなん↓

 

今回は作成したスケールの評価方法や運用を今後どうするか?といった考察を記事にしてみます^^

 

スケールづくりにいろんな人に手伝ってもらった事

今現在で自身の学習した事や協力を仰いだ事などを箇条書きにしてみると( ..)φカキカキ

・IADLとFIMをざっくり見てみた

・病棟内で意見をもらった

・地域包括支援センターマニュアルを見てみた

・精神科医に手帳申請の観点から意見をもらった

現時点でのスケール評価のために行った事はこんな感じです。
m(_ _)mアリガタイ

 

まゆ毛

あたしもこれ考えるの手伝った

 

 

osamu

ありがとう。
m(_ _)mアリガタイ

 

くるりん

わたしも手伝ったよ~

 

osamu

本当にありがとう。
m(_ _)mアリガタイ

↓くるりんが意見を書いてくれた紙

※ガチの手書き
m(_ _)mアリガトウ

 

まゆ毛

あたしもいっぱい書いたじゃない。

 

 

osamu

いや、書いてくれた紙あんたがもってるじゃん
(´Д`)ヨコセ

 

赤チン

俺も書いた!

 

osamu

ありがとう。
(´Д`)マア…

 

と仲間たちがくれた意見を自分なりにまとめたものを箇条書きにしてみます。
(`・ω・´)ゞ
赤チンの生活能力って…
(´Д`)…

 

 

現時点でのスケール採点の具体案

今現在の段階でのスケール段階別評価例を項目ごとに挙げてみます
(`・ω・´)ゞ

ざっくりとイメージする姿としては…( ..)φカキカキ

完全自立:特に問題なく生活を過ごしている姿

修正自立:時間がかかったり、何かしらの補助具を使うけど自分で出来ている姿
※たとえば高齢者がらくらくフォンを老眼鏡かけてなら操作出来ているとか。

監視・準備自立:一人で行えるが、まだ自立出来ているか確認が取れていない。
※「準備自立」に省略

最少介助:声かけや説明をすれば、その物事を出来る

中等度介助:声かけや時折手を貸せば、その物事が出来る

最大介助:マンツーマンでその物事を行う必要がある

全介助:その物事は殆ど(又はまったく)行う事が出来ない

こんな感じでのイメージで、よくある曖昧な4~5段階評価をもう少し細かくしてみる事を試みたところ以下の様な姿になりました。

 

点数 判断の目安 目指すべき方向性
6~7 本人が単独で出来る 単身生活
5 説明や監督が必要 グループホームなど
生活訓練施設
1~4 必要に応じた
介助が必要
生活スキルの獲得や
維持・向上

ざっくりとこんな感じになるはず。との目安を伝えて出た具体例が…

 

電話に関する段階別具体例案

自立の程度 電話(通信機器の取り扱い)
完全自立 携帯電話をプランも含め問題なく活用出来る
修正自立 眼鏡やストラップの使用・特定の機種などで問題なく携帯電話を活用出来る
準備自立 携帯電話を使用しているが使用状況の確認が要す 固定電話でなら電話が出来る
最小介助 親類・友人等の特定の相手なら電話が掛けられる ※院内でテレカは自己管理
中等度介助 テレホンカードを預かっている 受信は可能だが発信は出来ない
最大介助 テレホンカードを預かっている 送受信に介入が必要
全介助 電話をする事が出来ない

まだまだ詰めないといけないですが、電話の操作そのものに焦点をあてるとこんな感じになってくるのかなぁーと言った感じです(^^;

 

買い物に関する段階別具体例案

自立の程度 買い物
完全自立 店舗や通販での買い物など特に問題なく出来る
修正自立 特定の店舗または通販のみなど自力で行うが買い物パターンを固定していれば出来る
準備自立 小額の買い物は自分で行える 院内での金銭自己管理をしている
最小介助 病院内で売店カードを用いて買い物をしている
中等度介助 病院内で売店カードを用いて買い物をしていて、何かしらの介入・制約がある
最大介助 自分で欲しい物は言えるが代理購入をしている
全介助 全く買い物は出来ない

これもまだ詰めないといけませんね(^^;

 

まゆ毛

どんなところを?

 

 

osamu

いや買い物そのものでも単純に買うだけじゃなく、買ったものの運搬とかも入ると思うから

 

 

食事に関する段階別具体例案

自立の程度 食事の準備
完全自立 適切な食事を自分で計画し準備が出来る
修正自立 材料が供与されれば適切な食事が出来る
準備自立 調理は不十分だが購入したり準備は出来る。 配食サービスを利用できる
最小介助 準備された食事を温めて給仕する。あるいは食事を準備するが適切な食事内容を維持できない
中等度介助 お湯を入れるだけの調理なら自分で用意できる
最大介助 お湯を入れるだけの調理も介入が必要
全介助 食事の準備と給仕をしてもらう必要がある

必ずしも自炊が出来るのが必須条件ではない事をどのように盛り込むのか…
(´・ω・`)…

かといって作れたほうが良いのは間違いないし、調理場に立たない姿は点数が下がってくると思うし…
(´・ω・`)ムズイ

 

家事に関する段階別具体例案

自立の程度  家事(主に掃除、片付けなど保清
完全自立 自主的に家事を一人でこなす
修正自立 概ね自主的に家事を一人でこなす。時には重労働は手助けが必要
準備自立 ある程度の支援が必要だが皿洗いやベットの支度など日常的な仕事は出来る。
最小介助 簡単な日常仕事は出来るが妥当な清潔さの基準を保てない
中等度介助 全ての家事に手助けを要す
最大介助 自主的には行わないが簡単な家事であれば、手助けすれば出来る
全介助 全ての家事にかかわらない

この「家事」って正直、幅が広すぎてよく解りません(^^;

 

まゆ毛

あーあたしもこれがよくわかんなかった。

 

 

osamu

ざっくりその時は項目以外の「その他の家事」で濁したよね(´Д`)

 

くるりん

え~単純に「保清」じゃないの?

 

osamu

うん。住んでいる環境の清潔を保つ事は間違いないと思う。

 

炊事洗濯掃除を「家事」と捉える事が一般的だけど、食事の準備洗濯もIADLの項目にあるしなぁ…
(´・ω・‘)ソウジ??

地域包括支援センターマニュアルに書いてあった内容でゴミ出しとかはあったけど、もうちょいなんかあるような…
(´・ω・‘)…

洗濯に関する段階別具体例案

自立の程度 洗濯
完全自立 自分の洗濯は完全に行う
修正自立 コインランドリーやクリーニングサービスの利用などを行い洗濯は問題ない
準備自立 自分の洋服は洗濯出来るが、貯め込んだりなど一定ではない
最小介助 洗濯は出来るが観察や確認が必要
中等度介助 靴下のすすぎなど簡単な洗濯はする
最大介助 リース・業者洗濯であり、洗濯そのものを行うことがない
全介助 全て他者に介入してもらう必要が有る

ここもすんげー考えましたが監視・準備自立の境が解りません。
/(・∀・)\

色柄ものを分けるとか衣類だけではなくシーツ類の洗濯とかアイロンをかけるとかも入ってくるのか…

など色々考えますが難しい(^^;

 

移送の形式に関する段階別具体例案

自立の程度   移送の形式(交通手段)
完全自立 自分で公共機関の利用・自家用車の運転などで目的地に行ける
修正自立 タクシーやバスツアーなどを利用すれば外出・旅行に行ける
準備自立 特定の公共機関の利用は出来る 病院バスは利用できる 習慣化された外出は出来る
最小介助 案内をすれば特定の公共機関の利用は出来る ストレスのかかる状況下での対処は困難
中等度介助 付添や案内をすれば特定の公共機関の利用は出来る
最大介助 介護タクシーなどの利用があれば外出出来る
全介助 全く自分では目的地にたどり着く事が出来ない

この移送の形式って言葉そのものが、難しいというか…
(´Д`)

もっと交通手段の方法と活用とかシンプルにならんもんなのか…
(´・ω・‘)

それにこれだと、運転免許を持っていないと完全自立にならない様に見えてしまうところも改善点の一つだし。

 

服薬管理に関する段階別具体例案

自立の程度 服薬管理
完全自立 正しい時間に正しい量の薬を飲むことに責任が持てる
修正自立 服薬カレンダーなどなにかしらの工夫をして自分で服薬をしている
準備自立 あらかじめ薬が分けて準備されていれば飲むことが出来る 院内内服自己管理
最小介助 薬袋を渡せば飲める。名前や日付の確認が出来る。 一週間分自己管理観察中
中等度介助 一日分自己管理観察中
最大介助 手渡せば内服できる
全介助 自分の薬を管理できない

服薬管理に関しては割にスッキリしているのかなーと思いますが、内服の必要性をどの程度認識されているか?

などの一文を盛り込めれば、なお良いのかなーと考えています(^^;

 

財産取り扱いに関する段階別具体例案

自立の程度  財産取り扱い(金銭管理)
完全自立 経済的問題を自分で管理し(予算・小切手書き・掛金支払・銀行へ行く) 一連の収入を得て維持する
修正自立 生活費の自己管理、家賃、光熱費の支払いは出来る
準備自立 院内金銭自己管理 日々の小銭は管理するが、預金や大金などは手助けを必要とする
最小介助 一ヶ月分の院内金銭自己管理
中等度介助 一週間分の金銭自己管理 後見人の介入などを検討
最大介助 当日の金銭自己管理
全介助 金銭の取り扱いができない 持っているお金をすぐに使ってしまう
赤チン

俺なら大丈夫!!

 

osamu

あんた金銭管理は全介助でしょ(´Д`)

 

ここも割にまとまっている方なのかと思います。

これが大体合っているならば、世間のお小遣いサラリーマンさんの上限は準備・監視自立になりますね(^^;

まさに財布の紐を握られている
(´Д`)アカチン…

 

コミュニケーションに関する段階別具体例案

自立の程度 コミュニケーション(情報の発着信そのもの)
完全自立 特に問題なく言語・非言語的コミュニケーションを用いて個人または集団に意思伝達出来る
修正自立 自主的に挨拶や相談する事が出来る 複雑な内容の理解や表出は時間がかかる。または補助具が必要
準備自立 声掛けをすれば困っている事を伝える事ができる 短文レベルでの意思伝達
最小介助 限局的な対人関係内でのコミュニケーションは取れる 短文レベルで話せるが介助の必要性あり
中等度介助 限局的な対人関係かつ自発的な発言は殆どない 単語・文章が半々レベル
最大介助 行動のテンポやペースが周囲に合わせられず、不適切である 単語レベルでの表現程度
全介助 全く意志伝達は出来ない 孤立している

この項目は情報そのものの送受信のみに焦点を置くってことがなかなか伝わりきらない感じです(^^;

五感の機能そのものや精神科患者さんならではの特徴で、自分の考えを表出は出来ない。とか

症状でいったら「緘黙(かんもく)」とか…

 

ガリゾー

そういや、前に患者さんの特徴で「インプット」はそこそこだけど、「アウトプット」が上手くないって表現もしたなー

 

osamu

さすが「認知」の先生。あの時は分かりやすかった

 

 

社会的認知に関する段階別具体例案

自立の程度 社会的認知(対人関係能力、ソーシャルスキル)
完全自立 精神疾患がありながらも、円滑に社会生活が営めている様
修正自立 日常的なことはこなせるが、状況や手順が変化すると困難だが慣れれば平気
準備自立 外来受診が習慣的にできる 慣れていれば他者交流問題なし
問題解決に関して状況や手順が変化した際は指示監督が必要
最小介助 すぐに退院は難しく社会から遠ざかっている人
物事場面に慣れていても問題があり、時々日常の問題解決できない
中等度介助 陽性症状は落ち着いたが病状に閉鎖病棟から出れない人
進んで他者交流はなし 一対一の関わりなら問題なし 日常の半分は問題解決できない
最大介助 毎日ではないが問題行動が有る 一対一の関わりでも問題あり
日常の殆ど解決できない 抑制が必要な場面もあり
全介助 自己決定・解決が全く出来ない人 問題行動が毎日ある 常時監視が必要

正直ここがもんのすごい苦労した(´Д`)

FIMの社会的認知構成要素として「社会的交流」「問題解決」「記憶」をそれぞれではなく、ひとまとめにして

さらには「認知」そのものをくっそ勉強しなおして…
ようやくこの「認知」とやらが理解できた感じだわヽ(・∀・)ノ[社会的認知]

 

 

更にはまず段階的レベルのモデルになりそうな患者さん達を書いたうえで、共通する特徴をなるべく一言にして表現して…

 

 

そもそもFIMを調べれば、社会的認知に関する評価目安は書いてあるのに、わざわざ目の前にある対象をモデルに説明するとか…
(´Д`)…

 

 

 

 

 

(´Д`)…

 

 

 

 

 

マジでこれで解れ。

(´Д`)

 

 

 

スケール具体例充実のためにまだやる事

これも話すとあまりに長くなるので、箇条書きに( ..)φカキカキ

今後の課題

・社会的な自己決定の程度を表現したい

・一概に行動制限や病状には直結しない場面も多々ある。
※むしろしちゃ駄目(´Д`)

・問題行動として「妄想により自傷他害の恐れが著しく高い人」など周囲に恐怖や強い不安を与えたり、小さな犯罪行為、どこへ行くかわからないなどの行動をどの様に盛り込むか

・介護度や障害区分の判定基準とも照らし合わせたい。

 

と単純な自院の中だけでは出来ない事もありますし、煮詰まってない部分も多々…
(´Д`)

 

 

終わりに

本当に「生活」をきちんと評価するって難しいです(^^;

簡単かつ広範囲に評価できるように。とスケールを作ってみましたがこれも更に難しい…(´Д`)

でもこれが完成したら、患者さんにより明確な目標設定を提供出来たり、各医療従事者も仕事が簡略化出来て効率が上がます。

今はまだ構想を書面におこしている程度の段階ですが…(^^;

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-生活評価, 看護研究, 精神科退院支援

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