このブログの目的として
精神科看護について勉強し、なおかつ自身の学習と同じ志をもつ方と意見交換がしたい。
と思い、まずは今まで学習してきた事の紹介をしています。
こういった考えに至ったのは今回の記事タイトルである「これから変わるであろう精神科看護」に備える為に学習しようと思った為です。
今回はこれについての事を書いてみたいと思います。
近年の精神疾患割合の変化
現在なにかしらの精神科の病気の為、医療機関に受診されている方は300万人を超えている現状があります。
その受診する内容は、以前と比べうつ病や認知症などが増えています。
また精神に関わる薬や治療がどんどん研究・進化していて、統合失調症の受診数は年々減っては来ているもののまだまだ入院適応の患者さんはいます。
私が学習した時は統合失調症は120人に1人と言われていましたが、現状では100人に1人と言われています。
他にもPTSD・適応障害や依存症、ひきこもり、自殺未遂者ケア、自死遺族ケアなど私がまだ駆け出しの頃にはあまりなかった疾患や国の取り組みが増えている現状があります。
これは現代のストレス社会に合わせ、これらのような問題を社会が認識し、解決していこうといった動きがあるからです。
近年精神科病床数は減少している
現在、国は精神科病床数を減らしていく働きかけをしています。
これは「精神保健医療福祉の改革ビジョン」の中にある
「国民意識の変革」
「精神医療体系の再編」
「地域生活支援体系の再編」
「精神保健医療福祉施策の基盤強化」
という柱が掲げられ、「入院医療中心から地域生活中心へ」といった話の流れから来ています。
精神保健福祉法の中にこれらに対する働きかけも盛り込まれています。
精神科患者さんが入院ではなく地域で暮らしてもらう事を国全体で応援する。
といった働きかけです。
これらの現状に対する様々な取り組み
現状の精神科医療として上記で述べたように、精神科患者さんを「地域移行」支援する事が現代の日本の精神科医療の目標です。
入院数・入院日数共に減少傾向にはあります。
ですがこれは精神疾患初発(初めて発症)の治療が上手くいっている。
精神科スーパー救急をはじめとする急性期に診療報酬を増やす働きかけなどが出している数字であり
長期入院者の社会復帰の数字ではありません。
これに対する考えは色んな意見・見解を聞きます。
例えば
「今まで、病院の中が生活の全てで安定していた人。言い換えればここ(病院)が心の拠り所なのにそれを国が奪ってしまうのか」
といった意見もあれば
「日本の精神科病床数は諸外国と比べはるかに多い。ライシャワー事件など歴史的背景の問題から精神科患者さんをいつまで閉じ込めておく気だ。時代は違う。」
など全く異なる意見を唱える有識者が多々います。
でも私は正直どちらも正解とも思うのです。
精神科の病気に伴って、入院が長期化・これにより落ちた生活能力・忘れてしまった社会生活を取り戻すのは並大抵の事では上手くいきません。
国の政策として、様々な支援や啓蒙活動。諸外国の精神科医療の充実を真似る。
この取り組みは素晴らしいものだと思いますし、私も地域でその人らしく生きていく事が一人の人間としての幸せだと思ってます。
しかし長期入院精神障害者の地域移行を進めるにあたっては、精神科病院や地域援助事業者による努力だけでは限界があり
地域精神保健医療福祉の一体的な取組の推進に加えて
地域住民の協力を得ながら、差別や偏見のない、あらゆる人が共生できる包括的な社会を構築していく必要があります。
おおよそ30万人超いる精神科入院者の過半数が長期入院者であり、その大半が高齢です。
世間のサラリーマンが今までと違う職種に就くだけでも大変ですぐ辞めるような状況なのにも関わらずです。
こういった働きかけを実際に世間が受け入れる体制がまだまだ整備されてない状況ではこれは酷だ。とも思います。
一方で平成30年度から多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制の構築を図るといった国の新たな働きかけもあります。
他にも病院そのものが病床数減少の動きに合わせ、急性期または療養型に特化していく。
専門性を高める。といった動きも企業努力として民間でも頑張っています。
他にもストレスフル社会から生み出されてしまった適応障がいや気分感情障がい、パーソナリティ障がいなどの柔軟な対応が求められています。
これらは今まで精神科患者さんを「管理」する事から、「適応」出来る様にする事が求められている。と言っても良いと思います。