前回ざっくりと「こころ」を構成する要素について書いてみました。
※こころの解剖生理についてもうちょっと説明してみる。[基礎知識]
この記事にたいして、勤勉なジョンさんが
ざっくりで良いので、何歳~何歳までに形成する要素とかが聞けるとわかりやすい!
じゃあエリクソンとハヴィガーストの話をすればいいのかな?
といった事があったので、これについてを記事にしてみたいと思います。
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まずはおさらいとして…
エリクソンが唱える理論の表です。
エリクソンの心理社会的発達理論
年齢 | 時期 | 導かれる要素 | 心理的課題 | 主な関係性 | 存在しうる質問 | 例 |
---|---|---|---|---|---|---|
65歳 – | 老年期 | 賢さ | 自己統合 vs. 絶望 | 人類 | 私は私でいてよかったか? | 人生の反響 |
老年期では今までの生きてきた経過をなぞり自己を統合する時期とエリクソンは言ってます。いわば今までの人生で思い残しがあるかないか。と言い換えられますね。
今回は「自己統合 vs. 絶望」って所ですね。
うん。言わば人生の終着点とも言えるね
ここが上手くいかないと「絶望」ですか…?
怖い言葉に聞こえるけど、色んな孤独と向き合う。と言い換えても良いかな?
ざっくりとした老年期の紹介
老年期では今までの生きてきた経過をなぞり自己を統合する時期とエリクソンは言ってます。いわば今までの人生で思い残しがあるかないか。と言い換えられますね。
※人間はゆりかごから墓場まで成長を続けます。[成長発達]
人の生涯発達のゴールは自我の統合です。これが出来て、人間は死を苦痛を伴わない。と言われています。
高齢者の心理
まずこの年代になると五感の機能の低下から様々な二次的問題が生じます。
視覚
:目の調整力が減少し、近くにピントが合わせづらくなる。
聴覚
:色んな音を受け取る感覚器が減少する。特に高音域がその傾向で比較的低音域は聞こえやすい
嗅覚
:匂いは鼻腔の奥にある嗅覚受容神経が感知する。これは再生をする神経だが繰り返す内にその再生が不完全なものとなり、徐々に嗅覚が鈍る。
味覚
:味蕾そのものが減少していく。塩味・甘み・酸味・苦味・甘みなど5つの分類の中でも特に感覚が鈍るのは「塩味」
触覚
:皮膚の弾力の変化が生じ、感覚そのものが徐々に鈍ってくる
こういった変化から「会話に入れない」「食事を楽しめない」などの事が起きて、その結果で「孤独感」や「疎外感」「猜疑心」「被害感」などにも繋がってきます。
これらを始めとする身体機能の低下や社会的な引退、家族の独立、友人の死別などの孤独と向き合わないといけない時期です。
しかしながら、今までの得てきた知的能力は極端には落ちないとされています。これは知的な発達を「結晶性知能」と「流動性知能」の2側面で分けているからです。
それまでの社会経験と結びついた結晶性の知識は生涯を通じて発達し続けることが分かるからです。
他にも記憶の部分に関しては、エピソード記憶は加齢に伴い低下しますが、物事をまとめた意味記憶やそのやり方などの手続き記憶は低下しません。
流動性知能
新しい場面に適応するための知能
結晶性知能
言葉や計算、推理などの今までの経験や学習によって形成された知能
※参考:レイモンド・キャッテル – Wikipedia
なので高齢者が必ずしも認知機能が著しく低下するわけではありません。
※「知能」「認知」「記憶」に関してはまた別の機会に
こういった特性を踏まえた上で関わる事により、相手の思いを引き出せる事にもなります^^
死ぬことを受け入れる事
人間は必ず死を迎えます。これだけは技術が進歩し、寿命が延びた現代であっても不可避な事です。
どんな人も人生の中で数多くの死と直面する場面があるはずです。両親・兄弟・配偶者、時には自分より子どもが先に旅立つことも有るでしょう。
こういった様々な形の死を乗り越えて生きている事を認識しないといけません。
死の受容のプロセス
エリザベス・キューブラー・ロスは余命を知らされた人間がどのように死を受け入れるかを5つのプロセスで分けました。
1、否認
最初は死を信じない
2、怒り
なぜ自分が…といった怒り
3、取引
延命のためにあらゆる手を尽くす
4、抑うつ
様々な思いから、こころが押しつぶされそうになる
5、受容
これらのステップを踏み、自身の死を受け止める。
これは殆どひとりで最後の段階まで進めることはないと思います。
その人にとっての大切な人たちのサポートがあって、ようやく受容の段階までいける事だと思います。
こういったステップは個人や家族の「死生観」はその人が信仰するものや家族内の想い、今まで歩んできた人生などで代わります。
※これらは一文では語りきれないため、また別の機会で
死別悲嘆
グリーフとは死別の悲嘆の事。大切な人との別れはだれにとっても辛いものですが、その喪失を受け入れて、生きていく過程には、精神的、肉体的苦痛や、環境変化などに適応していく必要があります。
その「死生観」とかに関しては俺の方が得意分野だと思う!
を?じゃあ打ち合わせをしてから記事にしようかな?
といった赤チンの言いたい事を現在まとめている最中です。
ハヴィガーストの老年期
上記で語ってきた事がハヴィガーストが唱える発達課題です。
(1) 肉体的な強さと健康の衰退に適応すること
(2) 隠退と減少した収入に適応すること
(3) 配偶者の死に適応すること
(4) 自分と同年輩の老人たちと明るい親密な関係を確立すること
(5) 肉体的生活を満足におくれるよう準備態勢を確立すること
これらの事が上手く受け止められないと、絶望感や孤独感に囚われてしまいます。
反対にこれらの事が出来ている高齢者はいきいきとしているので、こんなお手伝いが出来ると良いですね^^
終わりに
簡単ながらライフサイクルや発達段階についてを書いてきました。人間が生きていく上で必ずある課題が発達課題です。
私自身もこの記事を書いていく中で改めて、今までの人生を振り返ったり、これから先の人生を想像したりもしました。
その中で「こんな出逢いがあると良いな」「この時にこんな風に言ってもらいたかった」などの事を思いました。
その思った事を相手に提供するのがこころのお手伝いだと思いますし、相手を知る為にも、その人が今どの段階にいるのかを把握する事もとても重要です^^