前回ざっくりと「こころ」を構成する要素について書いてみました。
※こころの解剖生理についてもうちょっと説明してみる。[基礎知識]
この記事にたいして、勤勉なジョンさんが
ざっくりで良いので、何歳~何歳までに形成する要素とかが聞けるとわかりやすい!
じゃあエリクソンとハヴィガーストの話をすればいいのかな?
といった事があったので、これについてを記事にしてみたいと思います。まずはおさらいとして…
人間は一生成長発達する。
前回記事で
成長発達
これは単純に体が大きくなる。といった意味の言葉ではなく、心が育っていく様も含まれます。その為、人間は亡くなるその瞬間まで成長発達をし続けるといった見解があります。
この成長発達をそれぞれの段階に分けたものが「ライフサイクル(発達段階)」です。
ライフサイクル
赤ちゃんから子ども、青年、老人までそれぞれの時期に応じた成長発達の課題の事です。これを唱えているのがエリクソンとハヴィガーストです。
「年齢の割に…」や「明らかに言動が…」といった様があった際は、この発達課題をこなさずに年齢を重ねてしまった。といった見方もします。
と書きました。人間は生まれてから老年になるまでの一生の間、発達していきます。
ここでエリクソンは人間の一生を8つのステージに分け、各ステージ事に身につけなければならない特有の課題がある。これを解決する事で技能の獲得や精神的な成長を遂げると唱えています。
※エリク・H・エリクソン – Wikipedia
またハヴィガーストは生涯を通して変化する身体的な発達と社会的な期待から生涯を6つの発達段階に区分し、その各々に課題がある。とエリクソンと同じような事を唱えています。
※ロバート・J・ハヴィガースト – Wikipedia
あ~学校でやったような気がするけど…^^;
学校だと精神より小児とかで出てくるからな~(´Д`)
※俺も小児は赤点スレスレでしたorz
でもそこで形成する要素が出来なかった時の問題があるんでしょ?
うん。それがエリクソンの「心理的危機」ってのになる。
心理的危機とは?
まずはエリクソンが唱える理論の表です。
エリクソンの心理社会的発達理論
年齢 | 時期 | 導かれる要素 | 心理的課題 | 主な関係性 | 存在しうる質問 | 例 |
---|---|---|---|---|---|---|
0–1 歳 | 乳児期 | 希望 | 基本的信頼 vs. 不信 | 母親 | 世界を信じることは出来るか? | 授乳 |
1–3 歳 | 幼児前期 | 意思 | 自律性 vs. 恥、疑惑 | 両親 | 私は私でよいのか? | トイレトレーニング、更衣の自律 |
3–6 歳 | 幼児後期 | 目的 | 積極性 vs. 罪悪感 | 家族 | 動き、移動し、行為を行ってよいか? | 探検、道具の使用、芸術表現 |
6–11 歳 | 学童期 | 有能感 | 勤勉性 vs. 劣等感 | 地域、学校 | 人々とものの存在する世界で自己成就できるか? | 学校、スポーツ |
11–19 歳 | 青年期(思春期) | 忠誠心 | 同一性 vs. 同一性の拡散 | 仲間、ロールモデル | 私は誰か? 誰でいられるか? | 社会的関係 |
20–39 歳 | 成人期 | 愛 | 親密性 vs. 孤独 | 友だち、パートナー | 愛することが出来るか? | 恋愛関係 |
40–64 歳 | 壮年期 | 世話 | 生殖 vs. 自己吸収 | 家族、同僚 | 私は自分の人生をあてにできるか? | 仕事、親の立場 |
65歳 – | 老年期 | 賢さ | 自己統合 vs. 絶望 | 人類 | 私は私でいてよかったか? | 人生の反響 |
この「心理的危機」とはそれぞれの発達課題にある心理的課題を上手くこなせない事による問題が出てくる。と言われています。
それぞれの段階を書いてみる
ざっくりと書いてみますと
乳児期
乳児は母親からもらう授乳や排泄の世話などから世界に対する最初の安心感を身に着けます。ここが上手くいかないと世界そのものに不信感を抱くようになってしまいます。
また目の前にある情報を積極的に取り入れている時期の為、ここでの暖かい情緒的交流が感情の絆としての愛着形成をしていきます。
要はここで愛情をきちんともらわないと、その後「愛情」が分からない。といった見解です。
もうちょい掘り下げて記事を書いてみました。
※赤ちゃんはあなたの愛情をそのまま全てを受け取ります^^[乳児期]
※褒めて伸ばそう!子どもは見た物聞いたものを自分に取り入れますよ![幼児期]
幼児から学童
この時期からトイレットトレーニングなどを始めとする生活習慣行動の獲得をします。こういった訓練を通して自律性を獲得していきます。
そこから遊びを中心に自分で何かを解決しようとする挑戦するといった自主性を獲得していきます。ここでの遊びの関わりから、自分自身が考えている世界観が全てではなく、他者の存在を認める事なども認識していきます。
この辺が自律性と自主性になりますねー。また「自分自身が考えている世界観が全て」がこの時期特有の自己中心性といった様ですね。
自己愛が強い、いわば我儘な様とは違うので勘違いしないでください。いわば社会性を獲得し始める段階です。
そしてこの頃合い大体4~5歳位エディプスコンプレックスといった異性の親を独占しようとして同性の親を邪魔に感じるような葛藤が生まれます。この葛藤を解決する様も自主性です。
この位の時期に成長発達に支障がでると自閉症や学習障害が出現すると言われてます。
※4月18日訂正
以前はそう言われてたかも知れないけど、自閉症とか学習障害とか発達障害と言われているものは後天性ではなく先天性。というのが、最近の見解。
先天的にあったものがこの位の時期から目立ち始めるが正しいのかな?
自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
引用参考:主な発達障害の定義について-文部科学省
また厚生労働省では
発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。
引用参考:発達障害-みんなのメンタルヘルス
もうちょい掘り下げて記事を書いてみました。
※赤ちゃんはあなたの愛情をそのまま全てを受け取ります^^[乳児期]
※褒めて伸ばそう!子どもは見た物聞いたものを自分に取り入れますよ![幼児期]
学童期
大体中学生になる前ぐらいです。ここでの学習の体験により勤勉性を獲得します。
反対にその競争の様から劣等感を抱きやすい。といった特徴もあります。この時期に仲の良い友達同士の付き合いをギャングエイジと呼び、家族や学校だけの世界を広げていくといった社会性の獲得過程です。
※4月18日訂正
ギャングエイジの所がちょびっと変。
なるべく簡単に書きすぎちゃったかなー
※ギャングエイジとは、児童期に現れる特徴の一つ。遊びを中心に形成される集団でかなり閉鎖的。今までの「ただ居合わせたから」「同じクラスだから」といった機会的で継続性のない関係性ではなく、その中にローカルな約束やルールが存在する。アイデンティティの獲得をし始める頃にこの特性は目立たなくなり始める。
一言でいうならば、小学生が秘密基地つくる感じ。俺もやった
もうちょい掘り下げて記事を書いてみました。
※学校は本当に大人になる為の場所でした。[学童期]
エリクソンは次に青年期としていますが、この学童期と青年期の間に思春期といった時期があると考えた方が良いです。
思春期
思春期では第二次性徴といった身体が大人に変わっていく事に加え、心理的離乳といったこれからアイデンティティを獲得していく準備、言わばこころも大人になっていくと言った不安定な時期です。
ここでの他者との関わりから自己を確立していきます。
ちなみにこの心理的離乳は第二次反抗期の事です。
もうちょい掘り下げて記事を書いてみました。
※反抗期は大人になる為の洗礼!犯罪以外はなんでもやれ!![思春期・青年期]
青年期
青年期に移行するとこの様がより具体的になり、「自分は何が出来るのか」「これからどのように生きていくのか」など自分自身を形成していきます。これが自我同一性の確立の様です。
この自我同一性がうまく達成されないと、対人不安や非行、選択の回避と麻痺(アパシー)などの問題が出てきます。
次の時期に行く前、言わば大人になった時の責任や義務が発生する前の時期をモラトリアムといい、そのまま社会に出たくない大人になりたくない様をピーターパン症候群とも表現します
もうちょい掘り下げて記事を書いてみました。
※反抗期は大人になる為の洗礼!犯罪以外はなんでもやれ!![思春期・青年期]
成人期
成人期はアイデンティティを試される時期ともいえ、仕事の選択や結婚といった人生の選択を迫られる時期でもあります。ここで恋人や友人、組織に属するといった社会に対する親密性の獲得を目指します。
もうちょい掘り下げて記事を書いてみました。
※人間は恋する生き物です。恋愛は人間を成長させます。[成人期・壮年期]
壮年・中年期
壮年期は成人期にも中年期にも重なっているので、一言で言いづらいですが、子供の養育や後継者を育てる、家を買う。出世をするなどといった何かしらの目標を達成・維持する時期とも言えます。
ここの心理的危機は「危険」でもあれば「機会」でもあるので今まで獲得してきた人間性が一番発揮される時期でもあります。
以前のコミュニケーション技術について書いた記事内容は主にこの時期をイメージして書いています。
※コミュニケーションは愛情からはじまること。[コミュニケーション]
もうちょい掘り下げて記事を書いてみました。
※人間は恋する生き物です。恋愛は人間を成長させます。[成人期・壮年期]
※人生の折り返し地点…ピンチもチャンスもあなた次第![壮年期・中年期]
老年期
老年期では今までの生きてきた経過をなぞり自己を統合する時期とエリクソンは言ってます。いわば今までの人生で思い残しがあるかないか。と言い換えられますね。
もうちょい掘り下げて記事を書いてみました。
※老いは恥じゃない!シワの数だけ人生が刻まれてます。[老年期]
ざっくりと紹介してみたけど、どうです?
オーケー!でもハヴィガーストの話があんまり入ってないような…
うん。ざっくりと流れを言っただけだから。
と本当にざっくり書いただけなので、今後エリクソンが唱える各発達段階にハヴィガーストが唱えている事を混ぜながら記事を書いていこうと思います(^^;
つーかこれだけでもなげえ(´Д`)
もちろん人間には個性があります。そこには仕事や結婚に対する価値観をはじめ様々なその人の考えがあるので、それを否定しているわけではありません。もしこの記事を見て不快に思われた方が居ましたら御容赦ください。
m(_ _)m