前回ざっくりと「こころ」を構成する要素について書いてみました。
※こころの解剖生理についてもうちょっと説明してみる。[基礎知識]
この記事にたいして、勤勉なジョンさんが
ざっくりで良いので、何歳~何歳までに形成する要素とかが聞けるとわかりやすい!
じゃあエリクソンとハヴィガーストの話をすればいいのかな?
といった事があったので、これについてを記事にしてみたいと思います。
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まずはおさらいとして…
エリクソンが唱える理論の表です。
エリクソンの心理社会的発達理論
年齢 | 時期 | 導かれる要素 | 心理的課題 | 主な関係性 | 存在しうる質問 | 例 |
---|---|---|---|---|---|---|
11–19 歳 | 青年期(思春期) | 忠誠心 | 同一性 vs. 心理 | 仲間、ロールモデル | 私は誰か? 誰でいられるか? | 社会的関係 |
前回記事のざっくりとした紹介
思春期
思春期では第二次性徴といった身体が大人に変わっていく事に加え、心理的離乳といったこれからアイデンティティを獲得していく準備、言わばこころも大人になっていくと言った不安定な時期です。
ここでの他者との関わりから自己を確立していきます。
ちなみにこの心理的離乳は第二次反抗期の事です。
青年期
青年期に移行するとこの様がより具体的になり、「自分は何が出来るのか」「これからどのように生きていくのか」など自分自身を形成していきます。これが自我同一性の確立の様です。
この自我同一性がうまく達成されないと、対人不安や非行、選択の回避と麻痺(アパシー)などの問題が出てきます。
次の時期に行く前、言わば大人になった時の責任や義務が発生する前の時期をモラトリアムといい、そのまま社会に出たくない大人になりたくない様をピーターパン症候群とも表現します
反抗期は大人になる為の洗礼って…
ん?ちと派手なタイトルだったかな?でも俺はこれで良いと思ったのよ
へえ~…じゃあ先生の講義を聞かせてもらおうかな
だからその先生くだりをやめておくれ(´Д`)
※このブログの協力者に精神保健指定医もいます
思春期・青年期の特徴
この時期は「子ども」から「大人」への過渡期と言えます。
まずはこの頃合いに体の変化として第二次性徴の発現があります。身体がより大きく大人らしく変化していきます。身長が伸びるとか声変わりとかの事ですねー
この様に体が大人になるに向けて、周りの大人達も今までの子どもの視点とはまた違った態度や期待を寄せる時期とも言えます。
他にも色々なホルモンバランスの変化から身体的、精神的にもバランスが崩れやすいとも言えます。
これらの特徴から「自己や関係性に対する不安や否定的感情が増長する」時期です。もう少し詳しく言うと…( ..)φカキカキ
青年期の思考の特徴
1、今までの学童期より、より高度な認知発達している。
物事を絶対的ではなく相対的に見れる。矛盾や判断過程の葛藤も自己と捉える。
簡単に言うと「出来ない自分もまた自分」と考える。
2、自分自身の関心内容と他者の思考の対象との分化が未熟
青年の「自己中心性」ともいえる。すんごい平たくいうと、
「俺はこれがかっこいい!」他人「うわー…いたい…」的な感じ。
まさに「中二病」的な感じ(^^;
3、時間的展望のあり方の変化
個人の心理的過去および心理的未来についての見解の総体。
今までは漠然としていた将来の夢を、より明確に想像する様。
小さい頃の夢を実現させる為には…と考えて出来ない!無理!恥ずかしい!といった様子。
それがプレッシャーになり未来への不安にもつながる
おーけー!俺も中学生ぐらいの時の恥ずかしい思い出はたくさんあるな~
どうせイケメンはたいした恥ずかしい事なんてないよ(´Д`)
またまた~(イケメンくだりスルー)そっちはどんな思い出があるの?
~…(´Д`)
…
…(((((゚Д゚;)))))) やめろ!!それ以上聞くんじゃない!!
と思い出話はその人の色んな葛藤をつつくかも知れませんので、話を聞くときは十分に配慮する必要があります。
フラストレーションの反応で言えば、「抑圧」した部分ですね(^^;
アイデンティティ
この「アイデンティティ」の定義は
です。今まで見るもの聞くものをそのまま自分以外の外界言わば「社会」としてきた認知を色々考え直す時期ともいえます。
自分とはなにか?
これからどう生きていくのか?
どんな職業についたらよいか?
男として女としてどう行動したらよいか?
といった問いに自分自身を形成していく時期であり、進路、価値観、就職、友人関係、結婚などの選択を考え始める時期です。
また「自分」へのこだわりを強く持つ時期でもあります。まさに中二病とはよく言ったものですね(^^;
平たく言うと
「これこそ本当の自分だ!」
ヽ(・∀・)ノ
といった様がアイデンティティ(自我同一性)です。
一方でこの心理的課題が上手く乗り切れなかった時にある「同一性の拡散」で現れる特徴としては
・対人的かかわりの失調:対人不安
・否定的同一性の選択:非行
・選択の回避と麻痺:アパシー
などが挙げられます。ここに関する記事はまた別機会に
モラトリアム
この「モラトリアム」の定義は社会的義務や責任を猶予されている準備期間とされています。
しかし「モラトリアム」の概念が考えられた時代と今の時代は大きく差が有るため、一概に年齢で判断できません。
時代の変化に伴った価値観の多様化。例えば女性も就労する。晩婚化。など様々な社会の在り方の変化が有るためです。
人格の輪郭が出てくるのがこの時期
このアイデンティティの獲得の時期は他者、社会の色んな事とぶつかり、知ることで自己の輪郭を明確にさせていく。と言えます。
この時期を境に人間関係が、個別の人格をもった者同士が人生観や世界観を共有しあう関係へと移行していきます。
今まで「遊ぶ」だけの友達付き合いが、将来の事とか恋愛のことを相談しあったり、何が目的でもないけど、ダベる。つるむ。みたいな関係性になっていきます。
しかし、まだ十分な社会参加は出来ていない時期です。そんな自分に一番近い「社会」を知っているのは養育者です。
反抗期は大人になるための色んな葛藤を親にぶつけてるのです。また別の意味の親に対する甘え方と言っても良いですね。
反社会的な事に繋がらない限りは見守ってあげてください^^
終わりに
私自身も色んな体験から、ようやく今この頃になって自分のアイデンティティを獲得できたのかなーと振り返って考えます(^^;
仕事に就き、結婚もしているにも関わらずです。このストレスフル社会の中で自分を見失うのは本当によくある事です。
こういった特徴を踏まえた上で、こころのお手伝いをしないと相手を理解する事には繋がりません。
相手の話を聞くうえではとても重要な事ですね^^